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2004年12月8日

 以前に紹介した国土地理院の[地形図閲覧システム]が、カラー版の[地図閲覧サービス「ウォッちず」]というのに移行している。旧バージョンの単色地図とは違って、これは見た目も25,000分の1地形図のネット公開そのもので、これからは書店の巨大な地形図棚の前を右往左往することも少なくなるだろうし、せっかく探し当てた引き出しに目当ての地図が品切だったと歎くこともなくなるだろう。もっとも地図というのは、特に登山についていえば、プランニングの段階で使用する以上に、現地で手にとって仔細に眺める必要のあるものだから、印刷して使用する場合の不便――細切れでしか印刷できないとか、モノクロ印刷では等高線が見づらくなるとか、保存性が悪いとか――を考えると、デジタル地図が紙地図に完全に取って代わるというようなことは当分なさそうだ。すなわち、この地形図ネット公開は、我々登山愛好者にとっては、特に机上登山の際に重宝この上ないサービスだといえるだろう。
 ところで、この「ウォッちず」は25,000分の1地形図を4分の1ずつ画面に表示し、その間を上下左右に移動するというナビゲーションの方法を取っているのだが、机上登山を楽しむのであれば、やはり[MapFan.net]のようにマウスでシームレスに移動できることが望ましい。などと考えていたところ、有り難いことに有名なフリーの風景表示ソフト「カシミール」がそれを実現してくれていることに気づいた。「カシミール」から「ウォッちず」にアクセスすれば、マウスのドラッグでシームレスに移動しながら地形図を閲覧することができるし、縮尺もある程度変えることができるのだ。かくして、25,000分の1地形図については、ネットでの閲覧環境はほとんど完成の域に達したといってよさそう。登山のプランニングも、今や地形図や登山地図が手許になくてもパソコンでできてしまう時代なのだ。
 ネットでの地図利用については、もちろん他にもさまざまな試みや商用化が広がっている。関連のリンク集としてはここが網羅的。