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2004年2月2日

 その一。某日、オークションサイトで縄文土器片5点を落札。後日届いたのは、縄文中期のものと覚しい、かなり大胆な造形の手のひら大の土器片。いずれも口縁の部分だが、一点一点意匠が違っているのが嬉しい。考古学少年だった頃の名残で、弥生・古墳時代の土器や石器は今も家に幾つか転がっているが、縄文土器を手にするのは初めて。華奢でシンプルな後代の土器を見慣れた関西人の目には、ゴツくて造型的意欲に富んだ数千年前の遺物は手応え十分。大いに満足してコルクボードに括りつけて飾ることにする。少年時代の夢を(安直な方法ではあるが)かなえてくれたインターネットに感謝。
 その二。検索で『全周画像QTVRムービーで見る藤内の縄文土器24選』というCD-ROMが出ているのを発見。「藤内」とは八ヶ岳山麓で縄文土器の雄品を多数出土した憧れの中期遺跡の名前。値段も適当なのでさっそく取り寄せて、先ごろ重要文化財に指定されたという驚異の土器群を鑑賞する。世界の先史美術史の一角を占めるにふさわしいその造形を味わうのに、QTVRムービーはこれ以上ない方式であることを実感。それにしてもこの日本離れした奔放かつ稠密な創造は、どこから来たものだろう。小さな島弧に突然降って湧いたものと考えるのは、ちょっと無理がありそう。網野史観の縄文時代における傍証?