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2002年10月3日

 この10月から[国立国会図書館]の[近代デジタルライブラリー]の公開が始まっている。明治期の蔵書のうち、現在、人文・社会科学分野の約3万冊が登録されていて、その全ページが画像で公開されているというからすごい。さっそくのぞきに行ってみたが、ナビゲーションは親切(しおり機能まで用意されている)、応答速度も申し分なく、ページ画像はGIFの他、独自のビュワーをダウンロードしてより滑らかな表示で見ることもできる。ただスキャンが汚くて右や左に傾いていて、何というか書物への愛情が感じられないのがちょっと残念。まあ量が量だけにやっつけ仕事になるのは仕方のない所か。
 肝心の中身はというと、期待していた探究本やただちに全ページの画像を保存して読んでみたくなるようなものは見つけられなかったが、明治の小説や漢詩集などのディレクトリには忘れられた作家の名前も多く含まれていて、興味をそそられた。隠れた名品が見つかる微かな可能性を求めてこれらの膨大な画像をコツコツ読み込む、なんてことはちょっとできそうにないことだが、そんな可能性が開けただけでも大したことだと思う。