2001年8月1日
数年前にNIFTYで読んで強い印象を受けた震災日記が、いつのまにかウェブに移設されていた。[
ぶつくさ日記]。震災の部分は過去の書庫[遠い昔の日記]の1995年にある(もちろん1月17日以降)。一読してわかるように、この日記はHP100LXという携帯コンピュータを常住坐臥携えて、逐次記録していくというスタイルで書かれていて、それが震災の際には威力を発揮することになった。一日の終わりに反省的に書かれる日記と違って、記述の一つ一つがさほど時間を置かずに書かれた、いわば生のままの記録だし、映像記録などと違って、事態に対する直截な人間的反応も記されるから、現象と心理の両面で特別にリアルな震災記録になっている。たとえば、こんな記述にショックを受けない人がいるだろうか。
● 07:45
阪神電車の踏み切り。
線路が歪んでいる。踏切脇の家は崩壊。
これでも出勤スタイルの人がいるから凄い。こいつら馬鹿か。
日記の主はまもなく激震地を離れるから、以後直接的な被災の描写は少なくなるが、日常生活を回復していく過程で、“震災”との精神的な暗闘が長く続く。その辺りの、どこかにいつも鈍痛を抱えたような日々の記録も、読まずには居られない。
NIFTYには、同じ人が1月後に震災体験をまとめた「ぶつくさ大震災」という文章もアップされていたが、日記に劣らず凄い記録だった。これもウェブで公開してほしい。