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2001年6月13日

 最近よく読みに行く日記ページ。そのひとつは、言わずと知れたというべきか、[作家 秦 恒平の文学と生活]のなかの[生活と意見]。職業作家のなかではたぶん唯一、ウェブに本気で取り組んでいる人で、日記ページも質量ともに豊か。特に頻出する時事的な意見は、すべてこれラディカルな正論。一々首肯できる斬り込みばかりで、指針として仰ぐに足る。反面、頻繁に引用される読者メールから感じられる、この人を中心に広がっているらしい濃密な文学的・美学的・人生論的ネットワークは、その美的・擬古的な小説と同様、僕には少し近寄りづらい。
 もうひとつは[入谷芳彰のページ]の[天浪堂日乗]。実はこのページで最初に取り上げさせてもらったサイトだが、その頃の不調(?)を脱して、毎日更新されている日記は、行動と心状が交々語られていておもしろい。(日本の)小説家になるための資格のひとつに、自分を語ることへの情熱があるのではないかと思うが、その点ではこの人は生来の小説家なのかも。6月6日や10日の項に書かれている「経済的な処世」とか「すぐ傍らに口を開けている最低生活」とかいったことは、実は身につまされる話ではあるのだが、僕には書く勇気はない。