針ノ木峠にテントを張ってから蓮華岳に向かう。
空は快晴、10月の北アは人と行き会う煩わしさもない。
山頂でのんびり昼食のつもりだったが、山は予想外に大きくて、途中の小砂利の鞍部でダウン。
お握りをむさぼりつつ眺めを楽しんだ。
盛夏にはコマクサが一面に咲き乱れるというこの山も、今は岩屑と這い松ばかりの単純明快な姿。
縦走路はこの先「蓮華の大下り」で一気に高度を下げて、樹林とガレの山域に入る。
目の下に見るその錯綜した山容との対比で、いよいよ際立つ素っ気ない孤立が、この際、爽快でなくもない。
エネルギー補給の後、ようやく達した山頂の小祠のかたわらには、誰が定めたのか「北アルプス総鎮守」の石柱があった。
|