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朝日岳・水平道2001.7.30

 3年目の雪倉への道。
 歩き始めてすぐに現れる小さい鎖場も、何カ所かの雪渓の横断も、新道らしい頻繁な迂回やアップダウンも今ではすっかり足に馴染んで、目に親しい地形と植生のなかに年毎の変化や新しい興味を見つける、この行程の何と楽しいこと。
 木道に腰を降ろしていつも掬する小桜ヶ原の澄みきった流れも、何か懐かしげにさざめいている。
 喉を鳴らして渇きを癒し、冷たい水を水筒にたっぷり満たして、さあ、雪倉へ向かおう。
 その大きくおおらかな登りは苦しいけれど雄大な喜びにあふれ、無数の微笑みのような花が今年も道を飾っている。