ある時、地下深いすさまじい高圧と高熱の場所から灼熱の塊として吐き出され、急速に冷えながらひび割れ、割れ裂け、その鋭利な断面を風に曝したまま、何百年、何千年。 白山山頂のモノリスは、空と雲に伍する永遠の相貌を身につけて、このちっぽけな登山者に目もくれない。