岩鼻から見下ろした斜面は、渋い色模様に染まっていた。 すでに葉を落とした木、これから色を変えようという木、そして、黄葉、紅葉の最中の木…。 もう人の来ない冷たい風の中で、遅い昼飯を食べていると、木管や金管、さまざまな音色が混ざりあったざわめきが吹き上がってくる気がした。