秋から冬へ
すべてのものが深まるように
僕等の生も熟して行かぬものか
誇り高い毬にのぞく栗の実の艶やかな充溢
根に幹にたっぷり栄養を貯めこんで色を変える木々の
暖色の落莫の心をふるわせる高貴さ
籾殻を焼く煙が流れる刈田にも
夕映えの華やぎと諦観とが
静かに居ずまいを正しているようだ
収穫とそれから終息と
丹波では大きなリズムが
物皆をうっとりと揺する
こんな夜には土地の化身 猪を屠り
人もうま酒に酔い臥すがいい
そうして生の大きな円環に温かく包まれるがいい
…ふれふれこゆき たんばのこゆき