高津編

 
『摂津名所図会』高津社

「摂津名所図会」高津社



 
『浪華の賑ひ』高津社から見る街並み

「浪華の賑ひ」高津

 キャプションに曰く。
 「遠眼鏡屋の云。まづ最初正面にみえまするは、道とんぼり川の橋より芝居やぐら、ひいき幟、むかふは安治川、天保山入りふね出ふねのけしき。右は摩耶山、武庫山、甲山、前は町々東西の御堂、左はなんば鉄眼、今宮のえびす、木津川口、千本松の風景、淡路島より須磨の浦へかよふ千鳥のなく声も耳へあてれば聞こえますとは、余り出たらめの口上なり。
  高津といへど豆腐のあたひ至てひくし。風景は一にして二じるしの腹をなほす。
  浪速津に名も高き家のゆどうふはきやくをほきみと賑ひにけり  壺のいしぶみ」