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キャプションに曰く、「桜の宮は淀川の東の岸にありて、社頭はいふもさらなり水辺より馬場の堤にいたるまで一円の桜にして、弥生の盛りには雲と見、雪と疑ふ光景、西の岸は川崎堤より北につづきて堀川の樋の口まで、ここも桜の並木なれば、川をはさみて両岸の花、爛漫として水に映じ、川風花香を送りて四方に馥郁たり。さる程に都下の貴賤老若、陸を歩み船にて通ひて、諷ふあり舞ふありて終日遊宴す。実に浪花に於て花見の勝地といふべし。」 |
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因みに画中に掲げられている詩は、次のようなもの。 城北網洲漁夫郷 城北網洲 漁夫の郷 酒楼宛在水中央 酒楼 宛として水の中央に在り 魚膾蟹螯知不乏 魚膾蟹螯 乏しからざるを知る 妓舟維得柳絲長 妓舟 つなぎ得て柳糸長し 作者の荒井公廉については不詳。比べて、軽く歌いながらメリハリの効いた叙景を展開する小竹の才が実感できる。 |